[
妹の恋人]

以前発売されたものの廉価版。発売日は2006年6月17日。
幼い頃両親を亡くし、それが原因で心を病んだ妹・ジューン(メアリー・スチュアート・マスターソン)と、彼女を見守る兄・ベニー(エイダン・クイン)。妹の存在により、自由に恋愛も出来ず、束縛されることに不満を抱きつつベニーは生活を送っていた。そんなある日、ひょんなことから、「バスター・キートン」に憧れる青年・サム(ジョニー・デップ)が彼らの家へ転がり込んでくる。文字が書けず無口なサムだが、パントマイムは天才的で、ジューンは次第に彼に心を癒されていき、2人は恋に落ちる。それを知ったベニーは、怒り、サムを追い出すのだが…。原題は「BENNY & JUNE」1993年作。
派手なアクションも、馬鹿げたお笑いシーンも、号泣するほどの感動シーンも一切無い映画なのですが、見終わった後、心がホッと安らいだ気がします。シーンひとつひとつに、小さな「癒し」があるという感じでしょうか。とにかく、サムであるジョニーの演技が凄い。動作ひとつひとつが細かくて、しかもキートンにそっくりかなり研究したらしいんですが(特別編なので、メイキングのようなものがついてました)スタント無しで、ここまで出来るというのは尊敬に値します。メイキングの中のジョニーの表情はいつもの「強い視線」を持っているのですが、サムになった彼は途端に「柔らかい視線」へと変わっています。
アイロンでトーストを焼いたり(このシーンがまた秀逸。ホットサンドを作りたくなりましたよ、アイロンで)、転がるソファーの上に乗って掃除をしたり、パンとフォークを使ってのパントマイムをしだしたり、サムの突拍子もない動作に目が離せないです。テーマは「縛られている兄妹」を表現しています。兄は妹に縛られている、と感じて、妹は兄に対してそのように感じててでも、その中に「自分の生き様に自由」なサムが入り込んでくることで、変わっていくのだとクスッと笑わせるシーンがあったりして、心が疲れている人にお薦めな映画。